少し前になりますが、新たにお取扱いをさせていただくことになった「マルヤマウエア」さんの岡山にある工房へ、取材のために伺ってきました。
マルヤマウエアさんの工房
北比良の我が家から2時間半ほどの岡山の山あいに、マルヤマウエアさんの工房兼ご自宅がありました。
山あいの、のどかな雰囲気の中にモダンでとってもおしゃれなギャラリーがありました。
所狭しと並べられたマルヤマウエアさんのうつわたち。
定番のうつわをはじめ、試作中の新作や一点もの、アウトレット品など。
まるで特別な展示会のような、ワクワクが止まらない空間でした。
マルヤマウエアさんの作風
可愛らしさと渋さが同居しているマルヤマウエアさんのうつわ。
うつわのシルエットやデザインなど、どこか女性的な雰囲気も感じさせてくれるうつわです。
印象的なのは【牛窓色】と名づけられている淡いターコイズのような色味のうつわ。
「日本のエーゲ海」と言われる岡山県瀬戸内市の「牛窓(うしまど)」の海を思わせる、優しいブルーグリーン。
お料理を優しく引き立ててくれます。
三島や陽刻・陰刻のうつわはどこかアンティーク調の雰囲気でとってもおしゃれです。
マルヤマウエアさんについて
「マルヤマウエア」は木畑考生さんが立ち上げたうつわのブランドです。
木畑考生さんは会社員経験を経て、備前焼作家さんのもとで9年間の修業ののち独立し、2017年からマルヤマウエアとして活動を始めました。
修行中は、日中の作業を終えた夕方からは自身の作品制作をされていたそう。
当時から、無釉のいわゆる「備前焼」だけでなく、釉薬を調合したりと自身の作品の研究をしていたといいます。
理解のある作家さんのもとで、自由に制作ができたことが今に活きているのではないでしょうか。
また、独立当初は備前焼の作家として作陶されていたご経験もあり、ギャラリーには備前焼の作品も多数並んでいました。
マルヤマウエアさんのルーツを探る part1
雑貨やアンティークのものが好きだという木畑考生さん。
ヴィンテージ風の味わいも、意識して制作されているそう。
三島や陰刻のうつわは、手作りのハンコを用いてひとつひとつ模様付けされていますが、あえて均一につけないことで、模様がかすれたように見えたり、化粧に強弱が生まれています。
また、20代のころにトルコやギリシャなど、ヨーロッパとアジアの文化が混じったエリアを好んで旅行に行っていたそう。
その旅先で見かけた風景にグッと見入ってしまうことが良くあったとか。
「後々考えた時に、幼少のころによく読んでいた児童文学に描かれていた表紙や挿絵で見た風景だったのかも。
絵を見ることで物語をイメージしていたため、それが印象に残っていたのではないかと思います。」
自分の作品にノスタルジックさがあると言われたこともあるそうですが、そういった経験が作品のルーツにあるのかもしれないと教えてくださいました。
マルヤマウエアさんのルーツを探る part2
また、陶芸作家の道を選んだ理由についても伺いました。
もともとものづくりが好きだったそうですが、幼少のころから備前焼が身近な存在であったこともあり、陶芸の道を志したそう。
「ものづくりイコール陶芸だったんですよね。今となっては、芸大などで色々な選択ができた人は少しうらやましかったりします。」なんてお話もされていました。
ですが、作家さんに取材に伺った時にはいつも同じ質問をさせていただいていますが、お話を聞いていると皆さんなるべくしてなっているんだなぁと、いつも思わされます。
これから、まだまだやりたいことがたくさんあるという木畑考生さん。
これからの「マルヤマウエア」の展開がますます楽しみですね。
マルヤマウエアさんのホームページ・SNS
マルヤマウエアさんのHPでは、作品のギャラリーを楽しんだり、イベント・展示会情報をチェックできます。
展示会などの情報は、インスタグラムの方が情報量も多いので、お近くでのイベント情報のチェックはインスタグラムの方がおすすめです。
マルヤマウエアさんのホームページ・SNS
- マルヤマウエアさんのホームページ
- https://www.maruyama-ware.com/
- マルヤマウエアさんのインスタグラム
- https://www.instagram.com/maruyamaware/
まとめ
最後に、当初使用していたという登り窯もみせていただきました。
今のご自宅兼工房は、もともと備前焼の作家さんがお住まいだった物件で窯も最初からあったそうですが、数年使用されずにいたため、ご自身で修復しながら使用していたそう。
一度に膨大な量の薪を使用し、何日も火を入れ続けるというとても過酷で手間のかかる登り窯。
温度の変化で焼き上がりの表情も変わるため、経験を重ねていくと焼いた土の破片の層を見れば、どこで温度が上がって、どこで下がったのかもわかるようになるとか。
登り窯の奥深さを垣間見たひと時でした。
また、取材後にはご自宅にてお好み焼きをふるまってくださった木畑孝生さん。
ご自宅兼工房がある和気は牡蠣で有名な日生(ひなせ)が比較的近いところ。
せっかくの機会だからと、牡蠣がたっぷりのった「カキオコ」もごちそうしてくださいました。
(お好み焼きに夢中で写真を撮り忘れるという痛恨のミスをおかしてしまい、写真はありません。すみません…!)
実は取材中、うちの娘たちはお子さんと一緒に遊ばせてもらっていて、ずっと奥さまがみてくださっていて。
お忙しい中、取材のために貴重なお時間をいただけただけでもありがたいのに、至れり尽くせりでとってもお世話になりました。
一緒にお食事をしながら、さらにいろいろなお話もできて。
本当に楽しく充実した一日となったのでした。
展示会も続き、お忙しくされているマルヤマウエアさん。
flattoにうつわが入荷するのは少し先になりそうですが、どうぞお楽しみにお待ちくださいね。
和食器セレクトショップ flatto(フラット)
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