淡い灰緑が美しい、市野耕さんの「彩色(さいしき)灰釉」のどんぶり。
径17cm・高さ9.5cmほどで、8分目の容量が680mlほど。
胴の中央あたりから呉須(ごす)を流してあり、呉須や釉薬の流れの表情もとても素敵。
見込みには優しい釉だまりも見られます。
シンプルなフォルムですが味わいある表情が楽しめ、マット調のなめらかな手触りも気持ちが良いです。
丼もの用にはもちろん、麺鉢としてやおかずの盛り鉢にも。
市野耕さんの「彩色灰釉」は、下地に白化粧(泥状の白い粘土)をかけ、そのうえから松の木の灰を調合した釉薬を施して作られるシリーズ。
化粧土の流れや、釉薬の濃淡で生まれる表情、そして釉だまりの「貫入」(かんにゅう・焼成の際の釉薬と土の収縮差によって釉薬表面にできるヒビ模様)など、彩り豊かな景色が楽しめるうつわです。
他にも、器の底など釉薬の濃い部分は美しいグリーンの釉だまりが見られたり、釉薬が薄くなる器のふちなどは焦げのような風合いだったりと、見どころがたくさんです。
高台のすぐ脇に、市野耕さんの銘の「耕」の印が押してあります。